ステンレスボウルのフチの比較。左は断面に袋状の隙間ができる巻きフチ、右は巻かずに平らに切ったフラットエッジ。

なぜフチを巻かないのか — フラットエッジという選択

ボウルやザルを買い替えるとき、サイズと価格は比べても「フチの形」まで見る人はほとんどいません。

けれど、使い始めて半年後に気になってくるのは、たいていそこです。洗ってもフチの内側がなんとなくすっきりしない。片手で持つと不安定。注ぐと液が垂れる。その原因の多くは、フチが「巻かれている」ことにあります。

そもそも「フチを巻く」とは、どういうことか

市販されているボウルやザルの多くは、フチの端を外側にくるりと巻いて仕上げてあります。

巻けば切りっぱなしの端が隠れ、形も安定します。長く一般的に使われてきた、理にかなった加工です。

ただし、巻いた内側には必然的に袋状の隙間が生まれます。ここが問題でした。

  • 洗っても、隙間の内側までは指もスポンジも届かない
  • 水やゴミが溜まりやすく、不衛生になりやすい
  • 一度溜まったものは、見えないので気づけない

仔犬印のボウルシリーズは、この巻きをやめました。フチを巻かず、平らなまま仕上げる。それがフラットエッジです。

巻きフチとフラットエッジの断面比較図。巻きフチは内側に袋状の隙間ができ、フラットエッジは巻かずに広いフチで仕上げる。

つくっているのは新潟県燕市。創業以来プロのための料理道具を手掛けてきた仔犬印が、自社で製造している日本製です。

巻かないと、洗い物がラクになる

フラットエッジのいちばん分かりやすい効果は、洗いやすさです。

隙間そのものが存在しないので、スポンジを一周させて流せば、それで終わり。水が入り込んで残る場所がありません。

この違いが効いてくるのは、こんな使い方をしている人です。

  • ボウルを毎日使い、毎日洗う
  • 肉や魚を扱った後の器具の清潔さが気になる
  • 洗ったあと、拭かずに自然乾燥させることが多い

調理器具は、性能よりも「洗うのが面倒でないこと」で使用頻度が決まります。フチを巻かないという選択は、結局そこに効いてきます。

広いフチは、片手で持つためにある

フラットエッジには、衛生面以外のメリットもあります。フチが広く取られているため、片手でしっかり持てるのです。

卵をかき混ぜるとき、クリームを泡立てるとき。ボウルを押さえる手が安定するかどうかで、作業のしやすさは変わります。

仔犬印 深型ボウル(フラットエッジ)18cm

もうひとつ、巻いていないからこそ実現できたのが注ぎ口です。フチが平らなので、脇にはみ出さない繊細な注ぎ口を付けることができました。卵のような粘性のある液体でも、液ダレが起こりにくくなっています。

フラットエッジの注ぎ口から卵液を注ぐ様子。液ダレが起こりにくい。

深型ボウル(フラットエッジ)には、こうした細部の工夫が重なっています。

  • 内側はつや消し研磨の後、さらに電解研磨で仕上げ。ホイッパーとの擦れでクリームが変色するのを起こりにくく
  • プレス加工による目盛り付きで、厳密な計量が要らない料理なら計量カップいらず

ザルにも、同じ思想で

同じシリーズでザルにあたるのが、深型メッシュボウル(フラットエッジ)です。

仔犬印 深型メッシュボウル(フラットエッジ)18cm

ワイヤーを編んで作られたメッシュ構造で、穴を開けたパンチングタイプとの違いは水キレの良さ。お米のような細かいものもしっかり受け止めます。

そして、ザルにありがちな不満にも答えています。

  • 一般的なザルより太い線径0.57mmのワイヤーを採用
  • およそ8.5kg以上の重りを載せてもびくともしない強度
  • 丈夫なので、ブラシなど固いもので洗える。細かな食材が絡んでも気にならない

さらに、深型ボウルと深型メッシュボウルは高さに差があります。重ねると隙間ができるので指を差し込んで持ち上げやすく、流水にさらしても、水に浮きやすい食材が水と一緒に流れ出ません。

ボウル・メッシュボウル・深型ボウル用トレー(フラットエッジ)の3点は、【セット】深型ボウルシリーズ(フラットエッジ)としてまとめて選ぶこともできます。

深型ボウル・深型メッシュボウル・トレーを重ねた3点セット

ボウルだけではない、角バットのフラットエッジ

フラットエッジは、角バット(フラットエッジ)や深型角バット(フラットエッジ)にも採用されています。

仔犬印 角バット(フラットエッジ)

フチ巻タイプと比べてエッジがあるぶん持ちやすく、ゴミも溜まりづらいという考え方は、ボウルとまったく同じです。

角バットならではの工夫もあります。

  • コーナー部分に段加工を施し、重ねたときにはまり込んで外れなくなるのを防ぐ
  • 調味材料や食材の保存に向き、冷蔵庫に収まった姿がきれい
  • 専用トレーを合わせれば蓋として、専用アミを合わせれば水切りや油切りとして使える

【セット】角バット・トレー(フラットエッジ)や【セット】深型角バット・トレー(フラットエッジ)なら、バットとトレーが揃った状態から始められます。

選ぶときの判断基準

フラットエッジが向いているかどうかは、次の3つで判断できます。

  • 毎日使って、毎日洗うか。頻度が高いほど、隙間のなさが効いてきます
  • 片手で持つ場面が多いか。泡立て、混ぜる、注ぐが多いなら広いフチが効きます
  • 重ねて仕舞うか。角バットの段加工は、収納の場面で差が出ます

逆に、ボウルを月に数回しか使わないなら、フチの形はさほど気にならないかもしれません。フラットエッジは、道具を毎日使う人ほど得をする設計です。

サイズは15cm・18cm・21cmの3展開。外径180/210/240mm、深さ80/94/110mm、容量1.1L/1.7L/2.8Lで、いずれも18-8ステンレス製、板厚0.8mmです。まず一式を試すなら3点セット、すでにボウルを持っていて水切りだけ替えたいならメッシュボウル単品、という選び方になります。